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映画「ゼロの焦点」in TOHOシネマズ なんば

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ポスターの出来が良くない。
予告編の出来も良くない。のに、
水曜レディースデーの映画館は満員だった。
あまり期待せずに観た映画「ゼロの焦点」、
雪の舞う日本海に、SLが走る光景
戦後のどさくさと、生き残ることへの生命感。

役者の演技の前に、松本清張が描く
日本の情景の映像化に心打たれた。

広末涼子は、アガサ・クリスティ原作の
名画 「オリエント急行殺人事件」での
イングリッド・バーグマンであった。
“物語に入り込まない浮遊感”
自分の光を自分で消すことから
はじまる役作りは、広末涼子という
女優がまぎれもない大物であることを物語り、
そんな女優としての稀有な個性を認められ
大切に大切に育てられているし、
その透明感から、濃厚な清張ドラマの
ストーリテラーとしても申し分なし。
上手い、下手を超える清らかな存在感。
ただ、あの鼻にかかる声だけは(個性か?)
う~ん。。では、あるが。

そんな、最初から戦線離脱ぎみの大物広末に対し、
“若さ”という武器が武器にならなくなる
中谷美紀 木村多江という
三十路女優二人の、それこそ
“生き残りをかけた演技バトル”が
この映画の真骨頂なのであろう。

それぞれ、最初に出てくるシーンから、
負けない演技をしてくる。
それまでの広末のシーンと対比され、
あっ!映画が始まるよって感じ。
ぐいぐい ぐいぐいとこの2女優が
映画をひっぱり、二人の女の
強い絆と友情が描かれる。圧巻。
完全に、映画は女二人の物語へ。
最後の最後で、
広末が見せる表情が
この映画のクライマックス。
ゼロの焦点が、ここにフォーカスされていくのは
製作者の意図であろうか、偶然か。
原作は、「1人の男でつながる女3人の物語」ではあるが。。。
しかし、この映画 大変良く出来た佳作だと思います。


この時代感と日本海の雪、荒波、
全てDNAに刻印されている日本人で良かった。

この映画を観れば、きっと SLに乗り
雪の日本海に行きたくなりますよ。
そんな、映画の舞台に私達は
今、生きてることの幸せ。


Byミッツ

映画「ゼロの焦点」in TOHOシネマズ なんば_f0091282_112516.jpg

by iiosu | 2009-11-26 00:46 | 映画館でシネマを