人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ジェーン・エア」シャーロット・ブロンテ

「ジェーン・エア」シャーロット・ブロンテ_f0091282_23413795.jpg
「夏の頭は感じやすい。
新潮文庫の100冊。」
昔、こんないいコピーがあった。

今から165年前に書かれた傑作小説。
まず、現代を1本とすると
3本くらいの容量がある複雑な思考経路と
言葉の洪水に驚かされる。
今の人間は(自分ももちろん含め)
昔の人間からくらべ 
それほど考えていない。
大雨、原発 こわい こわい。

愛の告白のシーンでは、
女性主人公に対して
男性が尊敬の言葉として、
「あなたには自然の美しさを見る眼がある」と言う。
さらには、自分を廃木と言う落ちぶれた彼に対して
今度は女性が
「あなたは廃木ではありません。
青々として、力強く茂っています。
植物はあなたが生えろとおっしゃっても、
おっしゃらなくても、あなたの根元に生えます。
だって植物は、あなたの大きな陰にいることが嬉しいのですもの。
そして生長するにつれて、あなたに寄り添い、
あなたのまわりに からみつきます。
だって、あたたの力が、このうえもない
安全な支えとなって下さるのですから。」と告白する。
これだけ自然に対して敬意を払うような優しい目線を
この傑作を書き上げたシャーロット・ブロンテは、
弱冠30歳でありながら持っていた。
信じられない。
今では、その境地にたどり着くまで
遠回りして、遠回りして、
いやはや、最後までたどり着けない人もいる。
現代の複雑な高等教育とはなんぜよ。
オーガニックも森も自然も、
昔はすぐそこにあったんだ。
フルスピードで時代は変化して
次のステージには 実は もう 
昔の人しかいない。

そう。完全に時代は1週して、
シャーロット・ブロンテが今、一番新しい。



By ミッツ


「ジェーン・エア」シャーロット・ブロンテ_f0091282_0191445.jpg

by iiosu | 2012-07-13 00:10 | 読書部屋(経済社会雑感)